この前ふとサッカーを始めた頃を思い出した。
小学3年生、転校して半年が経つ頃だったと思う。小学校の校庭で初めてサッカーボールを蹴ったことを鮮明に覚えている。
アディダスの白い3本線が入った黒いスパイクは母親に初めて買ってもらったサッカーシューズ。蝶々結びが分からなくて、親に怒ったことも覚えてる。
少年団に入って少し経ち、ディフェンダーになった。試合中初めてスライディングでボールを奪った時はめちゃくちゃ褒められたな。腿にビフテキ作って痛かったけど、今でも覚えてるくらい嬉しかった瞬間。
何度も辞めそうになったけど、何度もまたやりたいと思わせてくれた。
サッカーをやっていなければ、転校してからあんなに多くの友達も出来なかっただろう。サッカーをやっていなければ、今筑波で1人暮らしなんてしていないだろう。
間違いなくサッカーが自分の人生を彩ってくれた。多くのものに出会う機会をくれた。
きっとこれからもサッカーとは共に生きていく。
だけど、いつまでもサッカー選手として死に物狂いでボールを追っかけることが出来るかは分からない。なにしろ大学4年までで一区切りをつけようと臨んだ自分は、プロになってサッカーを職にするには程遠い。
あと半年で何が出来るだろう。
何をすべきなんだろう。
おそらくサッカーは何も与えてはくれない。
前述したことと矛盾しているようだが、サッカーをしていれば何か得られるなんて事はない。
きっとこれを読んでいる人はサッカーをしている人が多いだろう。大学サッカーという舞台で戦う同志も多いのかもしれない。
夏に差し掛かろうとしているこの時期は多くの悩みを抱えたり、今後のことを考えたりするタイミングだ。
そしてサッカーとの向き合い方も変化しがちな時期である。
本当にこのままで良いのか?まだ何かできることがあるんじゃないか?そう思っているのなら今すぐに立ち上がれ。偉そうにいっているわけではない、共に立ちあがろう。
サッカーを始めた時、そして今までのサッカー人生、大切な仲間たちと切磋琢磨し合い、自分の限界と向き合って来たはず。
負けて泣いたことも、怪我で苦しんだことも全て全力で取り組んできたからこそ得られたモノである。
もう1度初心に戻り、日々のトレーニングに力を尽くそう。
だってまだまだこんなもんじゃねぇからな。
筑波大学蹴球部
体育専門学郡4年
山中享汰