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2021

#131 サッカー選手である前に (岩浅歩杜/4年)


なぜ「プロサッカーリーグ」が社会に存在しているのか、 どんな役割を果たす存在なのかについて考察を進めていきたい。 先行研究としては...



という感じで卒業論文に全集中で取り組まなければならない状況の中、

2 度目の部員ブログ執筆依頼が来ました。 (本当はもっと前から来ていましたね。ブログの主へ、先延ばしにし続けてごめんなさい)


2021 年 1 月、自分なりの副務に挑む決意を述べてから、 あっという間に 1 年が経とうとしています。

この決意に対する回答でも書こうかと思いましたが、

それよりも今回は 4 年間の大学サッカー、

そしてサッカーが生活の中心だった 18 年間を終えようとしているいま、

1 人のサッカー選手として思うこと感じることを書いてみたいと思ったのでそうします。



大変長くなってしまいましたが、

お時間ある際にでも読んでもらえたら嬉しいです。



 ――――――――――――――――――――――――――


岩浅歩杜。22 歳。 北海道札幌市生まれ。

3 歳の時にサッカーを始めました。 両親がコンサドーレ札幌の試合観戦に連れて行ってくれたことがきっかけです。 札幌ドーム、厚別公園陸上競技場の雰囲気に魅了され、 気づいたらボールを蹴り始めていました。

  

幼稚園の 2 年間、そして小中高 12 年間北海道でサッカーを続け、 大学で初めて道外に出て、筑波大学蹴球部に入部しました。


大学 1 年時は 3 軍や 4 軍に配属され、

2 年時からは 2 軍でプレーさせてもらうことができました。

そこから、3 年間。一度もチーム移動を経験することなく引退が近づいています。 ざっと自己紹介するとこんな感じの人間です。



「自分の楽しみたいこと、やりたいと思うものを精一杯頑張りなさい。 でも、そのためにやるべきことはしっかりとやりなさい。」



僕がサッカーを始めてから、両親に何度かけられたかわからないくらい言われた言葉です。


大好きなサッカーを、両親は思う存分続けさせてくれました。


「なぜできないんだ」といったような自分の実力に関して、指導されたことは一度たりともありません。


ただ一つ、「やりたいことのためにやるべきことはきちんとやること」 そのことだけ、本当にこの部分だけを強く伝えてくれていました。


言い換えると、


サッカー選手である前に 1 人の人間だ。

サッカーという「自分の人生を豊かにしてくれる楽しみ」を思いっきり楽しみたいのなら、 その前に「1 人の人間として自分を律することのできる人間」であれ

そう伝えてくれていたのだと思います。


成長に伴い、「やるべきこと」は変化してきました。 

小さな頃は本当に基本的なところ、家のお手伝いや身の回りの片付け、 周りへの感謝の気持ちを持つこととかです。 学校に通い始めると勉学はもちろんのこと、生活態度などでしょうか。


家の手伝いを面倒くさがった、学校の提出物をさぼったなど 「やるべきことをやらない行動」が積み重なってしまったときには、 当然サッカーをすることができませんでした。

泣きながら当時通っていたサッカークラブに欠席の連絡を自分で入れたことをよく覚えています。


年齢が上がるにつれ、 サッカーをするということからサッカーで結果を残したいという段階に変化してきた時も、 この考え方は大切でした。


むしろ、より重要になったようにも感じています。


極端な例ではありますが、 両親と喧嘩した翌日の試合、高校の授業中に隠れて漫画を読んだ日の部活の練習などで 良いプレーができたことなんて、今思い返すとまあなかったです。

当然な話です。


自分の足元がしっかりしていないような状態でパッと結果を残せるほど サッカーは甘くない。


「自分の楽しみたいこと、やりたいと思うものを精一杯頑張りなさい。 でも、そのためにやるべきことはしっかりとやりなさい。」


そもそも、サッカーに全力で向き合う前提条件が崩れていたということですね。特に、結果を求めれば求めるほど、 サッカーだけ真剣にやっていればいいやという考えになっていました。

そうではない。


ピッチ上でのプレーも、日常生活での振る舞いも、 全て同じ 1 人の人間として表現されるものです。

だとすれば、良い選手というのは良い人間であり、

良いプレーというのは良い振る舞いとなるでしょうか。



「自律した自分の存在なくして、サッカー選手としての成功はない」



18 年のサッカー人生の中でも、北海道にいた 14 年間で強く学んだことです。


そこからの大学 4 年間は、本当にあっという間でした。

1 人暮らしも始まり、自律した生活の重要性が更に高まるなか、


サッカー選手としての成長を目指す日々。

特に、3 軍から 4 軍へのチーム降格を味わい、 周りの同期が昇格していくのを見ているだけだった 1 年生の秋はとても苦しかったです。


だからこそ、 日常生活だけでなくサッカー選手として成長するために「やるべきこと」は何かについて とにかく考え、自分のサッカー選手としての成長を何が何でも掴むため、 サッカーを学ぶことや Weight Tr などに日々打ち込むようになりました。


その甲斐あってか、2 年生からは 2 軍に昇格することができ、 それまでの環境が一変しました。

I リーグ 1 部所属、J リーグチームとの練習試合など、対戦相手のレベルが上がったこと。


何より 1 つ上に Top チームがいて、 日本トップレベルの選手たちと週末には青白戦(紅白戦の意)で戦うことがある、 新人戦で一緒にプレーすることができるといったことを通して、 目標とすべき選手たちがより身近になりました。


人が足りない時などには Top の練習や練習試合に呼んでもらえるようにもなり、 この環境でなら、自律した生活を土台に「やるべきこと」をやり続ければ必ず成長でき、 いつか Top 昇格に繋がる、そう思っていました。

しかし、そこからの 3 年間でたったの一度も Top 昇格は叶いませんでした。 いつか、いつかが繰り返され、気づいたら 4 年の 12 月になっていました。


足りなかったもの、たくさんあります。1 つ 1 つの要素を挙げればキリがありません。 それでも、1 番足りなかったと自分が感じているもの、それは「悔しさ」です。


2 年生の時と今とで自分が成長していないとは思っていません。 それでも、Top 昇格を掴めるだけの成長はできなかったというのが事実です。


成長に必要なこととは一体何か。 「やるべきことをやる」「毎日練習をする」そう思っていました。もちろん大切です。

でも、それだけじゃないと筑波大学蹴球部で学びました。教わりました。



「明確な理想像」と「強烈なコンプレックス」



成長に必要なこととして小井土さんが挙げられていた言葉です。

人が成長を目指す時、おそらくほとんどの人がどんな自分を目指すのか、 その理想に対して今の自分に足りていないものは何かについて分析し、 練習などの「やるべきこと」に取り組むことになると思います。


僕もそうでした。4 軍から 2 軍に昇格したときもそうです。


だから Top 昇格も目指す際も同様に取り組みました。同じようにいくと思っていました。 でも、できなかった。

何が違ったのか。それがまさに「強烈なコンプレックス」の有無だったと思います。


4 軍にいたときは、「このままじゃ嫌だ、何をしているんだ自分は」という、 理想の自分じゃない現在の自分に対する強烈なコンプレックスがありました。


結果として成長の原動力になってくれたと思います。

それが 2 軍で過ごした 3 年間では、本当の意味で生まれていなかったのではないか。


口では Top を目指したいと言う、実際にそのために必要なことにも取り組もうとする。


それでも心の奥底では、 自分よりも遥かに実力のある選手たちと一緒にプレーできないことに対して、 悔しさよりも仕方なさを強く感じていた。


「理想の自分でない現状に対して悔しさがなければ、その理想にはいつまでたっても辿り 着けない」



筑波大学蹴球部でのサッカー選手生活で最も強く学んだことです。

そんなサッカーが生活の中心にあった時間は、もう少しで終わります。

サッカー人生を通して学んだこと、 それは決してサッカー選手である自分にしか活用できないものではなく、 この先の社会人生活においても、きっと必要なことでしょう。

岩浅歩杜という人間をここまで豊かにしてくれたサッカー。 この先の成長にもきっと力を貸してくれるはずだと信じています。

そしていつか


いつかではなく必ず

お世話になったサッカーに恩返しをする

それができる人間になる


どういった形での実現になるかはわかりませんが、そう強く考えています。


サッカーを続けてきて

筑波大学蹴球部に入部して

本当に良かった


そう思えることが本当に幸せです。



さいごになりますが、

サッカーを通じて出会えたたくさんの仲間 

サッカーの素晴らしさを教えてくださった指導者の方々 

サッカーに取り組めるよう最大限サポートしてくれた両親をはじめとする親戚の方々へ

本当にお世話になりました。ありがとうございました。


また、日頃より弊部を支えてくださっている皆様方へ改めて感謝申し上げます。 そして、これからもどうぞ筑波大学蹴球部をよろしくお願いいたします。


筑波大学蹴球部の 2021 シーズンは、どれだけ長くてもあと 20 日。 最後の最後、みんなで日本一という最高の景色を見に行きましょう。



筑波大学蹴球部

 体育専門学群 4 年 

岩浅歩杜




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