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2021

#123スーパー器用貧乏(森澤修吾/4年)

〈はじめに〉


こんにちは。筑波大学体育専門学群4年の森澤修吾です。


部員ブログ係にブログを書けと散々言われたので、

引退まで残り一か月になりましたが書かせていただきたいと思います。



何について書こうか考えましたが、

いろいろ思うことはありながらも深くかけそうなことは見つかりませんでした。


ですので、今回は狭く深くではなく、広く浅く4年間で感じたことや気づいたことを書こうと思います。





興味あるところや気になったところだけでも読んでいただけたら幸いです。




目次はこんな感じです。




〈森澤修吾〉

〈何もすごくない〉

〈蹴球部でサッカーをする意味〉

〈スーパー器用貧乏〉

〈得たもの〉

〈おわりに〉



全部読むと約4分もかかります。気を付けてください。

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〈森澤修吾〉


改めて自己紹介させていただきます。


生まれは東京で、兄の影響でサッカーを始めました。



東小イレブン→小金井東中→小金井北高校→浪人→筑波大学蹴球部

現在はTSCチームに所属しています。



上記のように、大学まで所謂強豪校と呼ばれるような環境で

サッカーをしたことはありません。


そんな私が、筑波大学蹴球部という日本一を目指す環境でサッカーをすると決意したのには、二つの理由があります。


一つは、高校サッカーを引退した後に、

強豪校にいくことを避けた後悔の念に駆られたから。


怪我で高校最後の大会に出られず、あっけなく引退が決まった時に、

「今と違う環境でサッカーをしていたら今どうなっていたかなあ」

という想いが頭をよぎりました。




もう一つは、浪人中に出会った全国経験者に、

サッカーを続けた方がいいと背中を押されたから。


強豪でサッカーをするのにビビっていたにもかかわらず、

彼のたった一言で決意が固まりました。




このような理由から蹴球部への入部を決意しました。






〈何もすごくない〉


蹴球部に入ってから外部の人(筑波大生、少年団の親御さん、地元の友人など)に

褒められることが増えました。


「体育会すごいね」

「まだサッカー続けていて立派」

「毎日練習して忙しいのにバイトもしているんだ~」


こういう言葉をかけられると一瞬嬉しい気持ちにもなりますが、

別になんもすごくないんですよ。




まあすごい人がいるとすればトップチームですかね。

プロになるような人はやっぱりすごいです。

ましてその中にも一般入試で入ってくるような奴がいるから、

それは素直に「敵わねえ、すげえ」と思っちゃいます。




でも私のような部員は何もすごくないし、ただ好きでサッカーをしているだけです。

きつい練習だってその最中やそのあとの楽しく、震える瞬間を知っているから頑張れます。





楽しくて自分の好きなことをやっているだけなのに、

褒められる違和感に気付いたのは3年生になってからでした。



自分は何もすごくないと認識できてから、蹴球部での行動も変わった気がします。






〈蹴球部でサッカーをする意味〉


蹴球部にはたくさんのいいところがあります。



中でも私が一番好きなのは、蹴球部のことを好きな人が多い事です。

ここでいう蹴球部は“組織”として好きというニュアンスよりは、

蹴球部を構成している“人”のことが好きというイメージです。




蹴球部員はみんな本気でサッカーをしています。



体育会の部活だし当たり前なのかもしれないけど、

蹴球部は他大と違って部員が200人いて、

プロを志してる人から、高校での後悔から続けている人(私のように)、サッカーをやめる決断ができなかった人など様々な人がいます。




それでも全員が目の前の敵に負けたくないし、本気でうまくなりたいと思っている。

そして本気でやるサッカーを心から楽しいと思っている。




全員が、レベルの大小はあれど地道に努力して、

スタメンを奪い、上のチームに上がろうと切磋琢磨する。

そして、その中でたくさんの挫折を味わっている。


だから本気で応援できる。

仲間に本気で応援されたらまた頑張れる。




当たり前のようですごい組織なんだなあと思ってしまいます。

普段口には出しませんが、

蹴球部員のことが好きな人が多いと実感する機会は多いです。

(仲良しこよし集団であるつもりはありません。)






〈スーパー器用貧乏〉


現在の筑波大学蹴球部では、チームを勝たせられる選手を理想像として、

「インテリジェンス」

「ハイインテンシティ(プレー強度が高いこと)」

「スペシャリティ」

の三つの観点が重要視されています。



私が取り上げたいのは「スペシャリティ」です。




『スーパー器用貧乏。人当たりもよく、サッカーもうまい、字もきれいで、とてもやさしい。でも、何かで秀でてないと人は注目してくれない。修吾だけの強みを見つけて、伸ばして!』


これは、二個上の先輩佐藤航さんに頂いた言葉です。





私は、これまでの人生で「スペシャリティ」や「器用貧乏」に悩まされてきました。



勉強もそれなりに頑張って、まあまあ優秀。

スポーツも、苦手はなく、少し練習すればすぐに上達する。

サッカーにおいても、満遍なくどんなプレーもある程度はできる。

(部員にモリサワを形容してもらったら、安定感があるとかバランスが取れるとかいろいろなポジションこなせるとか言われると思います。)




ただ、圧倒的なこれという「スペシャリティ」がありませんでした。

それが自分の中ではコンプレックスで、

他人の才能を羨んだことが数えきれないほどあります。




高校の時、足が速いというスペシャリティを持った選手にスタメンを奪われたことを今でも覚えているし、

大学で、圧倒的なスペシャリティはなくても自分より高い基準ですべてをこなせる人がいる当たり前の現実にさえ、何度も嫌になりました。






しかし今では、

器用貧乏であるという事実は変わらないが、

その捉え方を変えることができています。




私は、器用貧乏であること故の劣等感や羨望を糧に、努力できると気づきました。




たった4年では圧倒的なスペシャリティを確立することはできませんでしたが、

かつてほど苛まれることはありません。





器用貧乏であることやスペシャリティがないことに悩み苦しみながらも、

あの時の今、自分なりの全力で向き合った結果、

あの時には想像できない今があります。



自分の努力を正当化するくらいには、成長できたという実感があるんです。






〈得たもの〉


私はこの“得たもの”というテーマで中学生の卒業文集を書きました。



当時は、サッカー部の部長として得たものを書き綴りました。

弱小校ならではの、部員が練習をさぼるという悩みや、

試合に勝って喜びを分かち合いたい自分と、なんとなく楽しくサッカーができればいい部員との考え方の乖離による悩みから学んだことを。




信頼できる仲間ができたとか相手の気持ちを慮ることが大事とか

中学生っぽいことを書きました。





あれから7.8年経て、

私がこの蹴球部生活で得たものは、“自己を理解する力”です。




勿論最高の仲間とか一生の思い出も得ましたが、

入学前と今で大きく違うのは自分を理解できているかどうかです。



蹴球部では本当に多種多様で貴重な経験ができました。

たくさんの人に応援歌を歌ってもらったり、

劇的ゴールでベンチになだれ込んだり、

地道な努力が報われる瞬間だったり。


同期の中で自分だけがメンバーに入れず、心からチームの勝利を応援できなかったり、

怪我で思うようにサッカーができなかったり、

下級生の時に感じた先輩の良くない行動を先輩になって自分がしていたり。




蹴球部生活で喜怒哀楽様々な感情に触れ、その都度考えたり、改善を試みる過程で、

自分のことを理解できるようになりました。(まだ完全にではないが)




好きなことや嫌いなこと、得意・不得意、

原動力やモチベーション、大切な価値観など。





自分が理解できるようになった私は強いです。




全力になれる環境に飛び込み、また新たな経験や知識を得て、

その瞬間を楽しむことができる。

どうしようもない時には、逃げることだってあるかもしれないが、

そこは割り切って許容できる。



ただ過去の経験から自分を理解したのではなく、

蹴球部で過ごした凄まじく濃密な時間や、

普通の大学生では経験できないことを通して理解した自分には、

すこぶる価値があると感じます。






〈さいごに〉


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

蹴球部生活を振り返るいい機会だったので、だらだら書かしていただきました。




引退まで残り一か月になり、本気でサッカーができる瞬間も長くありません。



だからこそ、

ありきたりではありますが、

後悔のないように残り一か月まじになれるサッカーを楽しみたいと思います。




なんとなく楽しいサッカーではなく、

結果を求め、試合に勝ち、喜び、最高な瞬間を噛みしめる。








これまでお世話になった家族、友人、チームメイト、コーチ、

私に関わったすべての方々のおかげで、

サッカーを心の底から楽しみ、たくさんの財産を得ることができました。

本当にありがとうございました。





筑波大学蹴球部


体育専門学群4年


森澤修吾


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