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2020

#72 勝利の女神は細部に宿る (荻野大輔/4年)



今回部員ブログを書かせていただくことになりました、筑波大学蹴球部4年の荻野大輔です。


あまり自分の思いを言葉にするのが好きではないのですが、自分のためにもせっかくの機会なので思っていることをつらつらと書いていこうと思います。



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4年生の1年間は



応援される存在になる

一緒にサッカーできてよかったという存在になる



このことを意識していた。

人の心を動かす存在という言葉をよく耳にするが、自分はより身近な人の心を動かす存在でありたかった。





自分の人生を振り返ると、


あの時もっと練習しておけば、

あの時パスじゃなくてシュートを打っておけば、

あの時もっと勉強しておけば。


物心ついた時から自分の人生は後悔ばかりだ。



でもこの4年間は死ぬほど楽しかった。

最後の最後も怪我して、呆気なくサッカー人生が終わったけど、後悔はない。全てが自分次第の環境で、それをしっかりと受けいれることができていたから。


全力で取り組んだから悔いはないとかではない。全力で臨んでいない日もあった。



全てが自分のためにやってきたもので、それは誰かにお願いされたものでもないし、誰かのためにやってたものでもなかった。

ただ自分がサッカーをもっと上手くなりたい一心で、やっていたからこそ死ぬほど楽しかったのだろう。

情けないことに4年になるまで自分が出ていない試合は、勝っても嬉しくなかったし、同じポジションの人の活躍は悔しかった。



でも試合に出れないのも、上手くいかないのも、監督やチームメイトのせいではなく、全部自分の積み重ねが産んだものだと受け入れられた。実際に全てが自分次第だったから。



1番下のカテゴリーのメンバー外トレーニングでの死ぬほどの悔しい思いも、プロチームとの試合の経験も、全部が自分の実力であり、それは日々の積み重ねである。



この感覚が凄く楽しかった。またそれを受け入れて楽しんでいる自分が好きだった。小中高の感覚とここが1番違った。



3年間はこんな感じの感覚でサッカーをしていた。おそらく人の心を動かす存在ではなかった。人のためにあまり行動していない。




4年として最後の1年はどうあるべきか考えた。

「迷ったら一グラに行け。」


追い出しコンパでの先輩の言葉だ。うまくいかない時、一グラに行けば入学した頃の憧れや期待、不安など様々な純粋な感情を思い出して、またとにかく頑張ろうと思える。



一グラに行けば、誰かがボールを蹴っている。みんなが人より練習している。昼に筋トレをしにいったら、掃除をしている人がいる。そんな光景があった。

またピッチ外でも応援企画で人のために動いてくれる人がいる。

特に中筑定期戦の時に4年に向けて動いてくれた方には感謝しかない。

サッカーという一つのものに対して情熱を注いできた人たちの勝利のための行動だった。

これがピッチ内に直結するとは思わないが、少なからず自分の心は動かされた。

この人のためにも頑張ろう。

こういう積み重ねなんだと実感した。



だから自分も誰かの心を動かす存在になりたいと思った。表向きの大きなことでではなく、小さな行動の積み重ねで心を動かしたかった。

例えば後輩にかける言葉だったり、一緒に自主練したり。



だからより身近な存在、特に同じカテゴリーの人やよく話す後輩の心を動かす存在になりたかった。

4年生の1年間はそんなことを意識して行動していた。

応援される存在になっていたか。

一緒にサッカーしたいと思われていたか。



結果はよくわからない。でもこの経験で自分自身を少しは変えることができたのではないかと思っている。




プロになりたいと思って、筑波大学蹴球部に入り、それが叶わなかった以上、自分が得たものは一緒に戦った仲間ぐらいなのかな。



今はそんな感じにくらいしか感じていないけど、後々この経験があったから今があると言えるように、また何かに情熱を注いで生きていきたいと思う。



何か一つのことに圧倒的な情熱を注げば、おのずとその他の行動が決まってくるし、小さなことも疎かにせず、目を向けて行動することで、それが人の心を動かすのではないか。


蹴球部にはそれをしている人、それに気付ける環境があった。



この環境でサッカーをできたことを誇りに思う。




「勝利の女神は細部に宿る」




ある1人の先輩はよくこの言葉を口にしていて、とても印象に残っている。たぶん岡田武史さんの影響だと思うが。


これくらいなら、一回くらいなら、俺1人なら大丈夫だ

といった小さな緩みが勝敗は左右する。


細かいことにも気を配り、勝利に徹する。


とても好きな言葉だ。


全ては日々の積み重ねで、必然である。




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最後になりますが、これまで自分のサッカー人生を支えてくれた方々に感謝を述べたいと思います。小中高のチームメイト、コーチ、

大学の先輩、後輩、同期、そして両親。

関わってくれた全て人々に感謝します。

このようなことを伝えるのが得意ではないのでこの場をお借りしてお伝えしたいと思います。

みんなありがとう。






筑波大学蹴球部

社会・国際学群国際総合学類4年

荻野大輔





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