はじめまして。
理工学群応用理工学類4年の河合祐次郎です。
今回部員ブログを依頼され、とりあえずこれまでの仲間の部員ブログを見返してみました。
どの作品も各々のサッカーに対する思いや蹴球部に対する思い、日ごろから考えていることなどが熱く語られています。
今回は,「大学サッカーラストイヤーを迎えて思うこと」を書こうと思いましたが、このテーマについてはこれまでも数人が書いてくれています。
せっかく部内だけでなく不特定多数の方々に読んでいただける機会なので、僕だからこそ伝えられること、僕にしか書けないことを書こうと思います。
それは、 “少年サッカーについて” です。
ご存知の方も多いと思いますが、筑波大学蹴球部はつくば市近辺の少年団のコーチ活動を行っています。
詳しくは僕の4つ上の先輩である、板谷隼さんのnoteをぜひご覧ください。
https://note.com/hayabusa_itaya/n/n71786ece4f17
僕はこれらの少年団の中の、手代木SCのコーチをしています。
ですが僕の場合 “少年サッカーについて” 書くもう一つの理由があります。
その答えは僕のサッカー歴を見ていただければ分かると思います。
松代ホットレッグス→手代木SC→アントラーズつくばJr→アントラーズつくばJY→茨城県立土浦第一高等学校→筑波大学
“手代木SC” 僕が小学1年生から本格的にサッカーを始めた、最初のクラブです。
そして10年の時を経て、この手代木SCにコーチとして戻ってきました。
そんな僕が選手としてもコーチとしても少年サッカーに関わってきて、重要だと感じていることは
“コーチの言葉が持つ力” と “演出力” です。
まず、“コーチの言葉が持つ力” からお話します。
これについては、保護者の皆様も参考にしていただけると幸いです。
言葉の内容も重要ですが、特に僕が重要視しているのは
“子供との何気ない会話” と “タイミング” です。
僕は担当の学年だけでなく、できるだけ多くの子供達と会話するようにしています。
これは僕の子供の頃の経験から来ています。
サッカーに関する的確なアドバイスをすることも重要ですが、それよりもまずは一人一人と会話すること。
これはとても大切なことだと思っています。
実際、僕が子供の時も「このコーチは俺を見てくれている」ということが一番自分のモチベーションに繋がっていました。
それにより子供自身が自信を持ち、自分から会話するようになり、自分に自信を持つようになることでプレーに自信が生まれ、更なる成長を促す、といった流れが生まれると思っています。
他の少年団チームでも学生コーチと子供たちがよく会話している光景を見かけます。
子供たちにとって僕らは、コーチというよりも年の離れたお兄ちゃんという感覚です。
年が離れすぎていない僕らだからこそ生かせる強みと言えます。
続いてタイミングについてです。
子供はひとつの声掛けで、劇的にプレーがよくなることがあります。
動き方についてなのか、メンタルの部分なのか、僕らコーチは的確に見極めることが必要です。
この見極めも難しいのですが、これより重要になってくるのがコーチングのタイミングです。
まずは “あえて言わずに、我慢する”
外から見ていてもっとこうしたらうまくいくのに、と思うことがよくあります。
状況にもよりますが、言いたい気持ちをぐっとこらえ、あえて失敗を経験させて、自分(チーム)で考える時間を与えることも必要です。
過度な声かけにより、子供が委縮してしまったり、子供が自分で判断してプレーを選択する機会を奪ってしまうと成長はありません。
(これは、コーチは「自由にプレーしよう」と伝えるだけでいい、と言いたいのではありません。サッカーの原理原則やテクニック、プレーパターンについては伝えるべきで、それが身についているからプレーの判断ができると思っています。)
だからこそ、“タイミング” が重要になってきます。
ここぞ、という場面で子供の判断の手助けになるコーチングができるか。
そこで、子供が理解できる的確な言葉や、子供の心に響く言葉が出てくれば、よりよいプレーを引き出せるのではないかと思っています。
2つ目の “演出力” とは
子供のやる気を引き出す演出をする、ということです。
心技体という言葉がありますが、僕は勝手に少年サッカーの試合結果は、 7割は技術やフィジカルの部分、3割はメンタルの部分に依存すると思っています。
試合前にいかにモチベーションを上げさせるか。
これは少年サッカーで一番面白いところです。
自分の話に子供達を引き込ませ、やる気を引き出せられれば成功です。
特に威力を発揮したのは、2018年の全日本少年サッカー大会茨城県予選でした。
この大会で手代木SCは県大会で準優勝することができましたが、大事な試合前にモチベーションビデオを見せることで、子供たちは自分の100%を試合で発揮することができたと思っています。
ここまで僕が少年サッカーの指導において意識していることについてお話ししました。
自分の少年時代を振り返ってみると、初めて筑波大の人工芝のピッチでサッカーをした時のことや、コーチの試合を観に行ったことは今でも忘れられない思い出です。
あれから10年後、サッカー人生をスタートさせたグランドに行くたびに何か懐かしいような、原点に戻った気持ちになります。
素直でピュアな心を持ち、必死でボールを追いかける子供たちの姿に10年前の自分を重ねて、サッカーを始めたころの気持ちを思い出します。
今教えている子供たちにはサッカーで繋がった仲間を大切にして、卒団してからもずっと仲良く集まれる学年になってほしいと思っています。
僕もその集まりに呼んでもらえるように、これからも熱い熱い情熱を子供たちに注ぎこんでいきたいと思います。
そして10年後、僕らが教えた子供たちが蹴球部に入部し、コーチとして帰ってきてくれたら最高にうれしいですし、そんな10年の循環がこの先も続いたら、とても素敵なことだなと思っています。
筑波大学蹴球部
理工学群応用理工学類4年
河合祐次郎
