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2019

#43 “弱さ”と向き合う(齋田武蔵/4年)

                                                                                   

                  #43  “弱さ”と向き合う(齋田武蔵/4年)                    


今回ブログを書かせていただくことになりました、4年の齋田武蔵(さいだむさし)と申します。


名前を聞いて「あ」と思った方、、、レスリングに15年ほど前携わっていない限りほとんどいらっしゃらないですよね。


簡単に自己紹介させていただきます。
愛知県立刈谷高校から突然生まれた1年の浪人生活を経て、筑波大学に入学しました。
入部して最初にB1(2軍)に配属され、1年冬からB1メインにTOPと行き来すること5度。現在はB1のキャプテンを務めさせていただいています。


誇れる仲間が蹴球部のいいところや蹴球部への思い、
個人的にイチオシな言葉(https://www.tsukubashukyu.com/2019/06/06/blog-34/)、
私も考えに考えた問い(https://www.tsukubashukyu.com/2019/10/04/blog-50-2/) など素晴らしい内容を書いている中で、私は何を書こうか迷いました。


激動だった今シーズンのB1、ヘッドとして活動し今年も波乱万丈だったフレッシュマンコース(入部から数か月間新入生のみで活動する期間)、天職を見つけた教育実習と、書こうか迷うものもありましたが、「4年間の蹴球部生活を振り返って今思うことを赤裸々に綴ってください。」との依頼でしたので、今回はB1の一選手として書かせていただきます。


読んでいただく前に一点注意書きがあります。
幸いなことに、「筑波大学蹴球部はすごい」といったことを言っていただけることもあるのですが、それだけで「かっこいい」や「キラキラしてる」といった期待や憧れなどの色眼鏡をかけて見ている方は、その期待を裏切る可能性がある内容となっているため、ここから先スクロールを速めてもらって構いません。


すいません、前置きが長くなりました。ここから本題です。
ひたすら自身のことを綴る拙い文章ですが、最後まで読んでいただけたら幸いです。




俺は“弱い”。



皆さんは“弱さ”と聞いて、どんな弱さを思い浮かべるだろうか。
どんなイメージを持つだろうか。


俺は“弱い”と聞いていいイメージはない。むしろネガティブだ。受け入れたくないものだ。 だから強くあろうと取り繕ってしまうことも多い。
ただ、自分と向き合うとどうしても感じてしまう、俺は“弱い”と。



先日のIリーグホーム最終戦、勝てばチャンピオンシップ(関東代表の決定戦のような戦い)進出に望みのつながる試合で負けてしまい、勝負“弱さ”を痛感した。


振り返ると、過去には多くの勝負“弱さ”を味わった。
振り返れば今でも鮮明に心に残るのが、高3の総体県決勝リーグ最終戦。
勝てば全国大会出場という試合に、現チームメイトの犬飼選手が所属していた中京大中京高校に0-1と惜敗。
勝負“弱い”。
試合終了後、怪我で運ばれた救急車の中で、様々考えを巡らせながら“弱さ”を痛感した。大いに期待されたチームで会場にも本当にたくさんの応援が駆け付けた中での敗北に、キャプテンの立場にも関わらず一人“弱っていた”。


他にも“弱さ”も痛感してきた。
高3、二次試験4日前に全治6か月の怪我をして試験を受けられず筑波を不合格となったが、考えも足首も“弱かった”。
それで生まれたまさかの1年の浪人生活は、周囲の人が懸命に生きている中でも、勉強にもサッカーにもなかなか身が入らないなんとなく過ごすことの多い“弱い”日々だった。


筑波に来てからも、“弱さ”を感じる日々だった。
幸運にもはじめからB1へと配属されたものの、今でもTOPに定着できずB1どまり。
TOPに昇格するも試合に出場することはおろかベンチにほとんど入ることもできず、自分のためにサッカーをする意義がわからなくなり、2年までの俺は大好きなサッカーを嫌いになりかけ腐りかけていた。
選手としての“弱さ”に加え、思い描いていた理想とかけ離れた現実から逃げそうになり精神的にも本当に“弱かった”。




でも、そうした“弱さ”があったからこそ今の自分がここにいる。
そうした“弱さ”に逃げそうになりながらも、悩み考え何かしら行動して“弱さ”と向き合ってきたからこそ今の自分があると感じている。


高校での勝負“弱さ”が、応援してくれる人のためにやり抜くことの大切さを教えてくれた。
サッカーでもっと上を目指したいと感じさせ、筑波への進学を明確な覚悟にしてくれた。

浪人生活の“弱さ”が、支えられて生きていることを実感させ、周囲への感謝を強く抱かせてくれた。
意志を持って今を懸命に生きることの大切さを教えてくれた。

筑波で経験した選手としての“弱さ”が、自分を見つめ直し成長する機会を与えてくれた。
精神的な“弱さ”が、「自分のため」から「人のため」という価値観へと変えていった。

【あなたはなぜ大学でサッカーをしていますか】と考えさせ、サッカーをやる意義、そして自身の今後をはっきりさせてくれた。


“弱さ”とは原動力であり、伸びしろであり、受け入れるべきものである。
「弱さは強さ」のような名言は様々あるが、まさにその通りだ。




キャプテンである俺がブログでわざわざ言うのもなんだが、「Iリーグ全国優勝」というチーム目標を達成できなかったB1チームは、結果が出なかった以上“弱い”だろう。
一選手としても、「TOPで試合に出場し筑波の勝利に貢献する、活躍を地元に届ける」という個人の目標を達成していない現状では、まだまだ“弱い”。


だからこそ、“弱さ”と向き合い続け、
自分のために、
B1や筑波のために、
応援してくれる人のために、
俺は最後の最後まで戦い続ける。




文調まで変わり長いものとなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

表向きの筑波大学蹴球部は確かに素晴らしいところかもしれません。ただ、実際の蹴球部は決してキラキラしたところではないと思っています。私だけでなく、みんな辛い経験をして、苦しさや悔しさを味わいながらも“弱さ”と向き合い、日々本気で活動しています。
そんな実際があるからこその蹴球部です。そんな蹴球部の一面も伝わっていればと思います。


最後に、 B1チームは、10/6(日)Iリーグ最終節を迎えます。
ここまで“弱さ”とも向き合い、誇れる仲間とともに積み重ねてきました。
最終節に勝利し少しでも高い順位でリーグ戦を終えられるよう懸命に戦います。
筑波大学蹴球部への変わらぬご声援を今後ともよろしくお願いいたします。



筑波大学蹴球部4年
体育専門学群
 齋田武蔵



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