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2024

#170 筋肉の先に、、?(寳島生之助/4年)

「筋肉は裏切らない」
確かに。効率、非効率はあるけど、何も考えなくても、重たいもの達と戦っていたら、おのずと筋肉はついたな。

部員ブログ書く場所はやっぱりここじゃないと。
今、私は、深夜の一グラにいます。それもゴール前。
何回シュート受けたか分からないゴール前にストレッチマットを敷いて書いてます。
もう、0時4分、そりゃ暗いし寒いよね。
こんな時間にスマホの光を頼りにボール蹴ったことあったなぁ。
あまりに沢山の思い出と、昨日の記憶が鮮明に思い浮かびます。


申し遅れました。蹴球部ボディービルダーコンテスト優勝者の寳島生之助です。
TSCチーム、3軍に当たるチームに所属していました。ポジションはGKです。昨日、この一グラで引退試合を迎え、引退しました。
あまりに稚拙な文章ですが、読んでいただけると嬉しいです。


「はぁ、結局残るのは筋肉だけかよ、」
一昨日の夜、大学時代に使ったキーパーグローブを整理しながら思いました。
整理したキーグロは11個、それぞれの思い出と4年間の長さを感じました。

「俺は、何ができたんだろう」
チームで回していた高校のサッカーノートに「筑波のスタメンになって、俺が試合に出る」と書いた。
小学生の時、「日本代表になる」って思っていた。
その一つも叶えられず、終わってしまう。
ここ最近はそんなことばかり考えて、心にポカっと穴が開いていた様でした。
それも結構大きい穴が。

一年の時の毎日二重跳び1000回
二年の時の毎日タバタ
三、四年の時の毎日ウエイト
練習後は誰よりもシュートを受ける
何本蹴ったかわからないほどのキックの練習

叶えられなかった、無駄だったのかな、無意味だったのかな。
いや、意味のないものにしてしまったのかな。
良いか悪いか分からないけど、不思議と後悔がないのは、頑張ったからでしょうか。
頑張った感があるからでしょうか。


「なんだ、結局筋肉しか残んないじゃないか、」
「まぁ筋肉が残っただけでもいいのか?」
脳筋寳島の思考はこんなところに落ち着きました。
明日、引退。
なんとも言えない心ポカン穴状態の私は、なんとも言えない夜を過ごしました。


今日、引退。
14年間のサッカー人生に、おしまいと言う日。
朝から物事が手につかない。
昨日洗ったスパイクとキーグロを持って、グランドに向かいました。


集中応援。沢山の人々が盛り上げようと、準備、広報をしてくださり、一グラには旗が立ち、多くの観客の方々がスタンドに座っている。
これだけの人数の方々に見ていただく中でする試合は、初めて。
アップ中から感じたことのない高揚感が収まらなかった。
スタメンの選手達の入場。
200人近くいる蹴球部員の声が一グラを揺らし、スタンドには、自分の家族、チームメイトの家族、友人達、卒団した先輩方が、「声でかっ」と言わんばかりの表情で、ずらりと座っている。
応援の声があまりに大きく、迫力があり、もう、ベンチにいた前半ですら、ピッチ内でプレーしたくてうずうずしていた。
こんなにも大きな応援をしてくれる同期、後輩、見てくれいている家族、友人、先輩方、
後半からピッチに立った私はもう、試合中なのに笑みが止まらなかった。
鳴り響く応援が、寳島の個人チャントの応援が、心沸き立った。

「終わって欲しくない、ホイッスルなんて鳴らないでほしい」
「まだこのピッチでプレーしていたい」心から思った。

試合中に、ボールが動いてるのに、集中しなきゃいけないのに、思ってしまった。

「あ、なんだよ、筋肉しか残らなかったって言ったやつ誰だよ、」

「めちゃくちゃ残ってるじゃねぇか、」

一緒にプレーしてきた同期、後輩、先輩方、そして家族、友人、が

私の心にポッカリと空いた穴は、
もう塞がるどころか、溢れかえっていました。

「ああ、こんな場所で最後プレーさせてもらったのか、」

試合後のスタンド挨拶

目の前にいる大勢の人々

「この景色で十分すぎるじゃないか、」

「無駄、無意味、何言ってたんだ俺は、」

「ここに来た意味、価値、ありすぎるよ、」

こんな多くの人に出会えた、過ごせた、
そして、何があっても、頑張ろうと思えたものサッカー、それがあっただけで、

「どんだけ幸せ者なんだ」

追い続けた日々、追い続けられた日々、
夢を持てたこと、夢を持ち続けられたこと、

結果がどうあれ、この日々が、あまりに大きな財産であり、宝物です。

そして、サッカーを通して関わってくれた全ての人に、
感謝しきれません。
本当にありがとうございました。

この最高の景色は大切に大切に心にしまっておきます。

死ぬ直前に思い出せるくらい大切に大切にしまっておきます。

そして、私のサッカー中心の生活は終わりました。

これから放り出される社会の荒波の中でうまくやっていけるのでしょうか。

「分かりません」

「今までの夢を手放し、新たな世界に行っても、サッカーを持っていた時の自分の様に、不器用であれ、脳筋であれ、それでも目標を持ち、後悔することのない、毎日を送ってくれ」

いえ、そんな日々を送っていきます。

たとえ目標を見失うときがあっても、日々の意味すら分からなくなっても、
今日の自分が、自分史上最高の自分である今日を、毎日、直向きに、積み重ねていきます。

昨日があまりに最高だったけれど、
人生を通して、最高の景色をまだまだ見にいこうと思います。
学生時代が1番良かったなんて言わないように。

サッカーを通して関わってくださった方々、本当にありがとうございました。
私のこれまでの人生を彩ってくださり、ありがとうございました。
そして、筑波大学蹴球部を日々応援してくださっている方々、本当にありがとうございます。
これからも、その力に変わるご声援をよろしくお願いいたします。

筑波大学蹴球部

体育専門学群 4年

寳島 生之助



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