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2021

#100 オールドルーキー (加藤零太/4年)




こんにちは。
筑波大学蹴球部・医学群医学類4年の加藤零太と申します。


3年間、部員ブログの記事集めを担当してきた身としては、記念すべき第100作目の部員ブログを書かせて頂けることを光栄に思います。


せっかくこのような場を頂いたので、これまでの自分、そしてこれからの自分について書かせて頂こうと思います。少し長いですが、ぜひご一読ください。





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先日、4年間の大学サッカー生活を終えました。


16年間のサッカー人生も、ここで大きな一区切りです。






振り返ると、今までの人生、サッカー漬けの毎日でした。


プロサッカー選手になることを夢見て、朝から晩までボールを蹴っていた小・中学校時代。


医者になることを決意するも、どこかプロサッカーの世界を諦めきれなかった高校時代。


サッカーをしながら進級するのに必死だった大学時代。


いつも生活の中心にあるのはサッカーでした。






大学進学時に筑波大学を選んだ理由の一つも、医学の勉強をしながら高いレベルでサッカーをしたかったからでした。


いわゆる「自分史上最高の形」で、サッカー人生を悔いなく終えたかったから。


心のどこかではプロサッカー選手になるという夢を諦めきれていなかったのかもしれません。


わずかな可能性にかけて、勉強をしながらサッカーを頑張ることにしました。






しかし物事はそう簡単にはいかず、


1年目は一番下のカテゴリーでベンチを温め続けました。


2,3年目も4~2軍で七転八倒、辛酸をなめる毎日。


悔しい思いを腐るほどしました。


サッカー漬けで大学の勉強にもなかなか身が入らず試験で再試にかかり、


留年の危機に瀕したこともありました。






4年目になり、色々ありながらもようやく1軍に配属されました。


が、すぐに2軍に落ち。


インカレ、関東リーグ、天皇杯、全て登録に留まり、ベンチ入りは叶いませんでした。








何も成し遂げられなかった大学サッカー生活。もっと言えばサッカー人生。


思い出されるのは辛いこと、苦しいこと、納得いかないことばかり。


プロサッカー選手にもなれず、多くの悔いが残りました。






それでも、苦しみながらもサッカーを続けてきたのは、間違いなく僕がサッカーを好きだったからだと思います。


手が使えない、決まりごとが少ないといったサッカーの競技特性。


不自由が故に奥深く、自由が故に奥深い。


所属するカテゴリーが上がる度に、自分が上達する度に、サッカーは面白さを増しました。


もっと高いレベルでプレーがしたくて、もっと面白い景色が見たくて、必死で努力しました。


どんな遊びより、飲み会より、ゲームより、本気でやるサッカーが楽しくて


僕はサッカーにのめりこみました。


筑波大学蹴球部のOBでもある中学時代の恩師に言われた


「好きなものを好きでい続けるためにも努力が要る」


という言葉を支えにし、僕はサッカーを続けてきました。






その結果、僕はサッカーがすごく上手くなりました。


特に大学に入ってからは、自分でも驚くほどに。






それでもなお自分の伸び代は多く、4年生になっても未だに「自分史上最高」とは程遠いことを思い知りました。


サッカーとは本当に底が見えない。だからこそ面白い。







また、蹴球部に来てからは、


大学選抜やプロのチームと試合をしたり


プロになっていく先輩やプロを目指す同期・後輩と一緒にプレーしたり


スカウト、指導者、分析者としてJの世界に飛び込む人を見たりする中で


サッカーを職にするとはどういうことかを知りました。


もちろん、まだまだ知らないことも多いのでしょうが、


今までプロになるということがどういうことか全然知らずにプロを目指していた僕にとっては、とてもよい勉強になりました。







こんな素晴らしい景色を見ることが出来たのは

ここまで頑張り続けられたのは

ひとえに、周りの方々に支えて頂きながら、筑波大学蹴球部で4年間活動出来たからだと思います。



今までお世話になった先生方、先輩方、コーチの皆様、部員のみんな。


共に汗を流した、頼れる同期のみんな。


ここまで応援してくれた家族。


僕が蹴球部でサッカーをするために御尽力頂いた全ての人に御礼申し上げます。


本当にありがとうございました。






ここからは、これからの自分について。




この文章のタイトルにもなっている



「オールドルーキー」



この言葉は、僕が好きな竹原ピストルの歌の楽曲名になっています。

意味を調べると、アメリカ映画「The Rookie」の邦題にもなっています。






今までの人生の大半の時間を費やすほどに本気で取り組んだサッカーが、生活から無くなりました。


引退してから時間が経つにつれ、心に大きな穴が開いたような虚しさが強くなっています。




日の出前の真っ暗なグラウンドへ朝練をしに向かうことも

ヘロヘロになって倒れるまでシュートを受けることも

極寒の水溜りに飛び込むことも

キーグロから汗が絞れるほど練習することも

練習後に仲間とグラウンドで喋ることも


全て無くなると思うと無性に寂しいです。




そんな中で今思うことは、


「何か」に本気になりたいということです。





その「何か」が何かはまだ分かりません。



医者としてのキャリアアップになるのか


別に趣味を見つけるのか


やっぱりサッカーに戻ってくるのか


それはこれから考えますが、





ここから先、運が良ければ今までの倍以上の時間を生きる人生の中で、


何歳になっても、誰に何を言われようと、どんな状況にあろうと、


好きなことに挑戦し続け、真剣勝負を繰り返し、毎日を全力で生きる。


そんなカッコいい生き様の先に、今度こそ、悔いなき人生が待っていると信じて、


常に 「オールドルーキー」 でありたいです。










まあ今の正直な気持ちとしては、サッカーに戻りたいです。(笑)


自分はまだまだ上手くなれるのに、このままサッカー人生を終えるのは嫌だからです。




ただ、医者の仕事も大きな責任が伴う大変な仕事です。


病院実習に行き始めて、医師の皆さんが日々懸命に仕事されているのを目の当たりにして、より強く思います。


こちらも本気でやりたいことなので、勉強にも本気で取り組んで、立派な“プロ”になれるように頑張ります。




同期の江田にはよく言われます。


「ソクラテスみたくなれよ」


Wikipediaより引用「ソクラテス」(ブラジルの元プロサッカー選手。医師免許を持っていた。)

ソクラテス (サッカー選手) - Wikipedia



「医者をしながらプロサッカー選手を目指す。」



日本では前代未聞、困難極まる挑戦です。


ですが、やると決めたら、誰に何を言われようと、貫こうと思います。


僕のそんな挑戦を応援して下さる病院・サッカークラブがございましたら、蹴球部、もしくは僕まで連絡を下さると嬉しいです。


マッチング、トライアウト、練習参加など、諸々の試験を受けに行きたいと思っています。よろしくお願いします。




幸い、僕には僕が勝手に師として尊敬している中村彰吾さんという大先輩がいらっしゃいます。


競技は違えど、彼の背中を追いかけたいと思います。

(中村さん、その節は本当にお世話になりました。)



(琉球新報デジタル版より引用:現役医師 琉球コラソン選手に 夢追い沖縄へ(医師とハンドボールの二刀流、中村彰吾さんの記事))

現役医師、琉球コラソン選手に 夢追い沖縄へ - 琉球新報デジタル|沖縄のニュース速報・情報サイト (ryukyushimpo.jp)




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最後に


「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」


発祥は武田信玄とも上杉鷹山ともいわれていますが、僕の座右の銘です。

心に銘じてブレずに頑張ろうと思います。





まとまりのない文章となってしまいましたが、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


今後とも筑波大学蹴球部の応援をよろしくお願い致します。









筑波大学蹴球部

医学群医学類4年

加藤零太



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