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2023

#161 常温に戻りかけている君たちへ (鎌田航史/新4年・副務)

こんにちは。今回部員ブログを担当させていただきます、体育専門学群新4年の鎌田航史(かまだかずし)と申します。2023シーズンはTSCチームキャプテン、副務という立場で活動させていただきます。過激な表現も多いかと思いますが、ぜひ最後までお付き合いください。


多くの人は、夢を語らなくなる。

現実を見て、自分の心に蓋をし、野心を押さえつけ、抱いていた大きな望みを「叶わないもの」フォルダにしまう。

沸点に達する前に、熱することをやめる。

ぬるま湯を経由し、常温に戻る。

夢を語り、はっきり物事を言う人のことを「ビッグマウス」と呼ぶ。
何と比べてビッグなのか。―――― 普通と比べて?

「普通」か。

夢を語らないこと、はっきり意見を言わないこと、それが「普通」なのか。
マジョリティー側に立つこと、それが「普通」なのか。

他人に合わせる。目上の人の意見をはいはいと聞き入れる。それが「良い子」と評価される世の中。そういう中途半端な輩ほど、他人や組織に対する全く生産性のない不満を漏らすものだ。

まず始めに問いたい。

確固たる自分を持っているか。
自分に期待しているか。

そしてあなたは今、「心の底からやりたいこと」をやっているか。


大学生になってから、文章を読む習慣がついた。

 多種多様な価値観に触れ、それまでの自分に見えていない世界を見ることができるのが新鮮だった。筑波に来る前の自分自身を振り返ると、価値観が相当凝り固まった人間だったと思う。

文章に触れるのは本当に楽しいことだ。自分の中でぼんやりしていた感覚・概念が、文中で明確に言語化されていたときのあの感覚。わかっていただけるだろうか。

部員ブログもその中の一つだ。
筑波大学蹴球部を守り、発展させてきた先輩方の魂が込められている。刺激的な言葉たちは、モチベーションが落ちそうな時も「また頑張ろう」と思わせてくれる。
歴史を学ぶとは、現代を考えることだ。そういった意味で、現部員は積極的に部員ブログを読むべきだと思う。何か刺激的なことがあるはずだ。


俺がこの部員ブログを通して残せるものは何だろうか。

探りながら書き進めよう。


 これまでの3年間、必死でもがいた。

 スタメンで試合に出て活躍し、上に昇り詰めることを常に考えた。
練習前や試合前の準備には時間をかけたし、日々のトレーニングにもこだわりを持って取り組んだ。(足りなかったから今の立ち位置なのかもしれないが。)
俺が3軍だろうが4軍だろうが5軍だろうが、熱量は不変だ。

ピッチ外でも己を磨いた。

サッカー観を養うため、とにかく試合を観た。大学生活中に100~150試合くらいは観たと思う。(最近は勉強のためというより単純に楽しくて観てる。生活の一部になった。)
分析業にも力を入れた。トップチームのスカウティングや選手の個人分析、外部からの分析依頼などを通して力をつけた。
運営のところでは、副務として責任ある仕事を任せてもらった。部員に対しては言いたくないことも指摘してきた。嫌な思いをさせたこともあると思う。でも発した言葉に悔いはない。頂に少しでも近づけるなら自分を犠牲にしていいと思っているし、それを「犠牲」と思うフェーズは俺の中ではもう終わった。

考えて、トライして、失敗して、修正して、また考えて、トライする。

頑張ったよ。頑張った。

でも、望んでいたものは手に入っていない。

フューチャーブルーのユニフォームに袖を通したことなど一度もない。
プロジェクトの先頭に立って成果をあげたこともない。
能力的に突き抜けているスペシャリティがあるわけでもない。

筑波大学蹴球部がメディアに注目されることはあっても、「鎌田航史」の名前は出てこない。実際、部員にすら見えないところで動いていることの方が多い。頑張る理由を見失った経験もある。

 何の実績もない、秀でた才能もない、大勢の中の1人。


 そんな俺でも、今は部の先頭に立っている。
 入部当初では考えもしなかった事だ。

 なぜこうなったのだろうか。こうなれたのだろうか。


おそらく俺は「成長意欲」が極めて強い。部の中でもトップクラスに。

これが主要因な気がしている。

 自信過剰と思われるかもしれないがこれに関してはかなり自信があるし、誰にも負けてないと思っている。

 できなかったことができるようになる、という経験を何度もしてきた。

 よし。

成長意欲について文章化し、この部員ブログに残すことにする。
 これを読んだあなたにとって、刺激的であったら嬉しい。


ここからが本題。

 最初の質問に戻る。


あなたは今「心の底からやりたいこと」をやっているか。


どうだろうか。少し不快感を覚えたかもしれない。

「心の底からやりたいことをやる」

それをやる明確な目的が自分を内側から動機づけ、震わせ、没頭させる。
これこそが、成長のための必須条件なのではないだろうか。

なぜプロサッカー選手になりたいのか。なぜ教師になりたいのか。なぜ大手企業に就職したいのか。そしてその先に、どんなビジョンを思い描いているか。

今やっていることは、その目的に適っているのか。

目的が明確になっていなければ、いくら頑張っても飛躍的な成長はない。目標を達成した先のビジョンがなければ、いくら過程を充実させても「没頭」には勝てない。

逆に、

ビジョンや目的を根底に据え、洗練された目標の達成を心の底から求めることができれば、人は成長に向かって急加速する。時間を忘れる。なぜ頑張っているのか自分の中で説明がつく。
結果、「迷い」という名の足枷が消え、新たな一歩を踏み出せるようになる。心地よい範囲内の努力では物足りなくなるはずだ。

心の底からやりたいことなら、失敗を恐れず進める。いや、進む以外の選択肢がなくなる。

「お金が貯まったら」「年齢が上がったら」「立場を確立したら」

それじゃあ、遅い。

「本当はAをやりたいけど、まだ若いし、お金もないから一旦Bにしておこうかな」

たぶん、もうAには戻れなくなる。

人間は行動によって思考をアップデートする。当初抱いていた野望は、日常的な行動によって簡単に書き換えられてしまう。

「ありたい自分」を追い続けるべきなんだ、結局。

これまでの人生で一番楽しかったのはいつか? 「今」と即答する。
そして、これからの未来はもっと楽しくなる。
自分に期待しているから。
もっと成長できると信じているから。

何より、「ありたい自分」「実現したいこと」があるから。


部員に問いたい。

なぜ、大学までサッカーを続けているのか。
なぜ、多くの犠牲を払ってまでサッカーを優先するのか。
そしてなぜ、“筑波大学蹴球部でなければならないのか”

 フレッシュマン (1年生の最初) の頃、目を輝かせながらすらすら答えていた質問。

 今はどうだろう。自問してほしい。


 「常温」に戻っていないか。


 勢いよく門を叩いたその慣性で走り抜けられるほど、筑波での4年間は甘くない。

いつまでも、「憧れの筑波大学蹴球部に~」とか言ってるんじゃダメだ。
俺たちが憧れられる側なのだから。

熱くなれ。常温のまま終わるな。
俺たちの熱伝導性はどんな物質よりも高い。大丈夫だ、やれる。『共に』熱くなってくれる仲間がいる。

障壁はある。やらない理由もいくらでも見つかる。そっちに目が向く気持ちもわかる。

けどやるんだ。足掻くんだ。もがくんだ。

じゃないと成長はない。何の成長もなしに「筑波大学蹴球部出身」のレッテルを張られて社会に出ていくことの方が、俺は何十倍も怖い。

 筑波大学蹴球部がタイトルを総なめにする。その景色を思い描いて毎日を過ごそう。

まだ何も成し遂げていない。けど、これから成し遂げる。

最後に、「ありたい自分」をここに記す。
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 サッカー日本代表のFIFAワールドカップ優勝に自分が大きく貢献する。筑波大学蹴球部が日本のプロサッカー界に数多くの人材を輩出している以上、日本代表の試合結果や日本におけるサッカー文化の発展に関して大きな責任がある。その責任に目を向けなければならない。
日本サッカーの未来を担うのであれば、まずは筑波大学蹴球部が日本の大学サッカー界で突き抜けた組織であり、大学サッカーを牽引する存在であることを証明しなければならない。そのために今シーズンは、3つのタイトル(関東リーグ、総理大臣杯、インカレ)を獲る。
そのために自分ができること。
キャプテンとしてTSCチームの目標達成を追い求め、下からTOPチームに圧倒的な熱を伝える。「3軍でもこんなにやるんだぞ」と示すことで筑波のブランド価値を向上させる。そして個人としてB、TOPに昇格し、プレーで貢献する。
アナライズ班として、スカウティングに尽力する。情報をかき集め、整理し、伝える。TOPチームを勝たせる。
副務としては、これまで先輩たちが築き上げてきたものを守り、発展させる。そのために自分が求められている役割を果たす。
自分自身のビジョン(ありたい姿)は、「周囲の人たちに刺激を与え、巻き込む存在」。
誠実であり、穏やかであり、それでいて刺激的な存在になる。
以上、常に意識して行動選択する。
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 これから先、色々な壁にぶち当たると思う。
馬鹿にされたり、笑われたり、否定されたりするだろう。

 でもそんなこと、全く関係ない。

 1人の部員として、副務として、TSCチームキャプテンとして、俺には筑波大学蹴球部を守り、発展させていく義務がある。それができないのであれば今すぐに部を去る。

強烈に何かを求めるのだ。仮にそれが実現しなかったとしても、夢を引き継ぐ者は必ず現れる。俺たちが先輩方の意志を継いで戦っているように。

 そのためにも、俺は自分がコントロールできることにフォーカスする。没頭する。成長し続ける。

 なぜか。

「心の底から溢れ出る何かに突き動かされている人」

それが一番かっこいいから。



拙く長い文章でしたが最後までお付き合いいただきありがとうございました。


 2月上旬に第一サッカー場の改修工事が始まりました。OBの方々やサポーターの皆さま、スポンサー企業様など、ご支援いただいた多くの方々にこの場をお借りして感謝申し上げます。皆様のおかげで私たちはサッカーに打ち込むことができます。本当にありがとうございます。2023シーズン、『共』に『頂』の景色を見にいきましょう。



筑波大学蹴球部

体育専門学群 新4年

2023シーズン副務 鎌田航史


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