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2021

#95 一瞬を求めて抗う (増渕利樹/4年)




新年明けましておめでとうございます。


平素より大変お世話になっています。



この場を借りて、未曽有の事態にも関わらず、筑波大学蹴球部を支えてくださっているスポンサーの方々、サポーターの方々に厚く御礼申し上げます。

今年も筑波大学蹴球部への変わらぬ、ご声援をよろしくお願いしたく存じます。





今回、ブログを担当させていただく筑波大学蹴球部4年 増渕利樹と申します。


筑波大学蹴球部での4年間を振り返る貴重な機会をいただきました。






本当に素敵な人たちと出会うことができました。



特にその中でも、同期は特別な存在であり、感謝すること、しなければいけないことが多いです。


たとえ、筑波ではなくて他の大学に行っていたとしても、そこの同期達に同じことを思うだろうけど、一度きりの人生で私の同期は筑波大学で出会った46人の仲間でした。



その同期の家族もまた、素敵な人ばかりでした。


関東リーグ最終戦に同期の家族が多く観に来てくれて、そこで私の自慢の家族が素敵な同期の家族と一緒に話している光景を見て、息子としてなんだかうれしい気持ちになりました。


私がサッカーを通して大学で素敵な人と出会うことができたのは、これまでの人生において家族のサポートがあったからこそであり、その家族にも私が続けるサッカーを通して素敵な人と出会ってほしいと思っていたからです。




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簡単に人は変われない、状況は変わらない、とよく言われます。


サッカーの技術もそう簡単に向上するものではありません。



でも何か変化が生まれ始まる時は、一瞬だと思っています。




蹴球部生活4年で何度経験しただろうか。


TOPチームのメンバーが発表され、そのメンバー表に自分の名前があるかどうか目を凝らして確認したことが。



その瞬間まで負けていたのに、みんなであきらめずにつないだボールがゴールラインを越えた瞬間に同点になり、また次の瞬間には逆転して、劇的勝利を収めていたあの日の試合が。




その瞬間は、心臓の音が聞こえるほどドキドキして、興奮したり落胆したり。


自然と叫んでいて、仲間と抱き合って喜びを分かち合ったり、涙が出ないほど悔しく、むなしい気持ちになったり。



その一瞬の感情の変化、刺激があるからサッカーっていうのは良い。スポーツっていうのは良い。

その瞬間の刺激を求めてこれまでサッカーというスポーツを続けてきました。



その変化を自分にとってできる限り良い方向への変化にするために、良い変化となる可能性をできる限り高めるためには、最善の準備をするだけです。




“全ては準備"

準備が、その準備にかけた時間が自信を生み、新たな可能性を引き出すと思います。



ある日のある一瞬の先に、自分にとってエキサイティングな状況が待っているとしたら、待っていることをイメージしたら、どんなにつらくても、どんなにうまくいかなくても、どんなに逃げ出したくても、その瞬間を生み出す過程を頑張れる気がします。



だから自分が1番 “自分に期待しろ" と良く言われるのだと思います。



自分に期待して、もがいて、もがいて、もがいた日々は、きっと何か良い変化、結果をもたらしてくれます。


これを私は、 “ピグマリオン効果の応用” と呼んでいます。



サッカーを通して、スポーツを通して学んだことの一つです。

結局、今の自分に限らず、これからの自分にも通ずることなのだろうと思っています。




サッカーだけでなく、一人の人間としての自分自身のキャリアについても深く考えてきました。

これは大学に入ってからだけではなく、これまでの人生を通して取り組んできた課題で、これからも永遠の課題であると思います。



大学でサッカーをやめても、それ以降続けたとしても、選手を引退する時が必ずきて、そしておそらく、引退してからの人生のほうが長いはずです。



サッカーというこれまで生活の中心であったものがなくなった時でも、自分が生きているために、サッカーを通して培った自分を存分に生かすことができるようにするために避けては通れない課題です。



もちろん常に4年間の中心はサッカーであったけれど、自分なりに24時間をデザインすることで、自身の可能性や興味を最大限にまで広げることができると考え、サッカー以外の面でも自分を高め、キャリアの研鑽を積んできました。それがまたサッカー選手としての自分に生きてきました。



ただ、いざ自分の目標としていたレベルでサッカーをすることができるか否か、という分岐点に差しかかった今、こんなにも残酷なのだと痛感しています。それと同時に、何の経歴もない私のようなサッカー選手に声をかけてくれるクラブやお世話になった方がいて、人とのつながりがこんなにも大切なのだと改めて感謝しています。



私が足を踏み入れたサッカーの世界がこんなにも厳しく、やりがいがあり、温かみのある世界であったことに感謝しています。



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私がこれまでサッカーを続けることができたのは、家族をはじめとする多くの支えてくれる方々のおかげです。


また、指導者の方が私に正しい指導方法でサッカーを教え、正しい方法で教育してくれたおかげだと思います。



指導者や先輩から頂いた多くの忘れられない言葉があり、その言葉に救われてきたこともありました。



「筑波大学蹴球部は何百人いるうちの数人が輝けばいいのではない、一人ひとりがそれぞれに輝いていなければならない。それが筑波大学蹴球部ってもんだろ。」



私以外の皆さんにもそんな自分の人生を変えてくれた、自分を支えてくれた忘れられない言葉があると思います。



ただそれって “あの人” が言ってくれたから、覚えているのだと思います。



私自身は、筑波大学の体育専門学群で4年間学んだだけにすぎないですが、体育・スポーツの専門家として、そうなろうとすることなく、これから長い時間をかけて少しずつ、あの人という “そっち側” に近づければ、と決意を新たに残された期間サッカーに打ち込みたいと思います。






もうそろそろで本当に大学生活が終わり、卒業するんだと考えると涙があふれてきます。

これまでのように同期に会うこともなくなるんだなと。



友達が少ない、本気で自分をさらけ出せる仲間が少ない俺はどうしていけばいいのかな。



きっとこれから、みんなのような仲間を見つけるには時間がかかるし、どれだけ時間をかけても見つからないよ。



まさに今日、筑波山神社に初詣に行った帰りに、また明日。と何気なく言っていたことが、もう少しで、またいつか。となって、そのいつかっていつになるのだろうか。



でも前を向いて歩みを進めなくてはなりません。



部としての自粛が決定する前夜2020年4月1日、ピッチに横たわって夜空を見上げながら、いつこのグランドに戻ってこれるのだろうかと考えました。

それ以降は見えない未来に向かって、必死に今できることに向き合って歩みを進めてきたように、とにかく今に感謝して生きなければなりません。生きさせてもらわなければなりません。生きているそれだけで幸せだと再認識しています。



これからの人生でも多くの困難が待っていると思います。

むしろ待っていてほしいと思います。



顔を下に向けたくなるようなことがあったとしても、目線だけは常に上げて、見えない未来、そこで逞しく生きている自分の姿に期待して、睨みつけるかのように強く追い求める。



ここまでのサッカー人生で常に抗ってきた私だからこそ、明日もこれからも抗っていきます。





読んでいただきありがとうございました、皆様にとってこの一年が幸せになることを心から祈っています。










筑波大学蹴球部

体育専門学群4年

増渕利樹



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