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2024

#169 なぜ今日もグラウンドに向かうのか(内藤龍/4年)

日頃より筑波大学蹴球部への多大なるご支援・ご声援をいただき、誠にありがとうございます。

筑波大学蹴球部4年の内藤龍です。ポジションはゴールキーパーで、今シーズンはTSCチームでキャプテンをやらせていただいています。
名だたるJリーガーも執筆した部員ブログを今回執筆させていただけるということで、非常に嬉しく思います(振り返ると蹴球部に来たいと思ったのもとある先輩の部員ブログがきっかけでした)。

今回は僕がなぜ大学生になっても毎日グラウンドに向かうのかについて書かせていただきます。
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10/8 社会人サッカーリーグの最終節が今のところ自分の大学での最後の試合になる。
これまで通り楽しむと同時に、僕のサッカー人生に関わってくれた全ての人に感謝を示し、そしてなぜ今日もグラウンドに向かうのかを記したい。

10/3 5:40
久しぶりの朝練。朝ってもうこんなに寒いのか。
いつもは自転車でグラウンドに向かうところを今日は歩いてみる。
歩いてみるといつもは考えないことが頭に浮かぶ。
「先週調子悪かったなー」「失点に絡むミスしたなー」

「なぜ大学生になっても毎日グラウンドに向かうのか?」

僕は小学1年生からサッカーを始め、千葉県松戸市の少年サッカーチームの中部イーグルス(小学校)→専修大学松戸中学校サッカー部→専修大学松戸高校サッカー部→筑波大学蹴球部と約17年間サッカーをしてきている。
高校のチームでは「サッカーを楽しむ」「勝ち負けは後、幸せが先」という価値観のもとサッカー漬けの日々を送った。

高校卒業後は筑波大学に入学。憧れの筑波大学蹴球部でプレーをすることが叶った。蹴球部の周りのみんなは全国レベルの選手であったり、プロを目指していたり、一言で言えば上を目指している選手がほとんどであった。

そんな刺激的な仲間と毎日サッカーをして3年目を迎え、僕はTSCに所属していた。試合に出ることができるようになってきた時のあるリーグ戦で、ミスをきっかけに試合に出ることができなくなってしまった。そこからは再び試合に出るためにアピールしようとするものの、空回ってまたミスを繰り返す日々が続いた。

毎日練習のメンバリングでスタメンかサブかを見て一喜一憂していた。本当に苦しかった。好きなサウナにどれだけ行っても気は紛れなかった。高校の時あれほど好きだったサッカーを嫌いになりそうなことも辛かった。グラウンドに向かうのがとにかく辛かった。これは自分が求めてるサッカーではない。そんなもやもやした感情を持ったまま3年目のシーズンが終わった。

その年末、楽しみにしている高校サッカーの季節がやってきた。高校サッカー選手権には毎年主題歌があるのだが、その年はSaucy dogの「現在を生きるのだ。」だった。この曲の一節を聴いた時に何かがわかった気がした。
その一節には
「楽しいだけじゃなくなってきたのは本気で愛してたって証拠だよな」
とあった。

プロになりたいとかTopチームに入りたいとかそれほど強く思った事がない自分がなぜ毎日グラウンドに向かうのか。それは、「サッカーの本当の楽しさを少し理解した」からなのかもしれないのではないか。

高校や大学の前半はサッカーの楽しさを「試合に出ること」だったり、「試合で活躍すること」だと考えていた。しかし今は違ってきている。

ミスをしても、試合に出られなくても、仲間とうまくいかなくても、毎日自分のプレーに期待感を持ってグラウンドに向かうことができる。そのようなミスや経験は自分がこの先最高のプレーヤーになるための栄養になる。
3年生の時に試合でミスをしたことも、それをきっかけに試合に出られなくなったことも、全て今の自分繋がっている(もちろんその時のコーチにも感謝している)。

「昨日はミスをしたけれど今日はどんなプレーができるかな」
「ラムズデールみたいなシュートストップできるかもかな」
「エデルソンみたいなアシストとかしちゃうかもな」

自分に対してこんな期待感をもってしまったらもうグラウンドに向かわざるを得ない。

「楽しいだけじゃなくなってきたのは本気で愛してたって証拠だよな」

サッカーはうまくいくことだけではない。そのようなところにも魅力を感じてしまったから僕は今日になってもまたグラウンドに向かうのだろう。

こんなにサッカーを楽しめるのは今年で最後かもしれない。
10/8 社会人サッカーリーグの最終節が今のところ僕の大学での最後の試合になる。
現在の内藤龍というゴールキーパーはこれまで自分のサッカー人生に関わってくれた全ての人によって成り立っている。
最後の試合もこれまで通り楽しむと同時に、僕の栄養になってくれた全ての人に感謝を示して終わりたい。

そろそろグラウンドが見えてきた。
今日はもしかしたら点を取ってしまうかもしれない。
今日も自分がどんなプレーができるのか、期待しかない。

筑波大学蹴球部

体育専門学群 4年

内藤龍


WRITER:内藤龍
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