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2020

#62 "強い筑波"を取り戻すために (荒井啓汰/4年)

平素より筑波大学蹴球部へのご支援ご声援をありがとうございます。

筑波大学蹴球部4年の荒井啓汰と申します。


歴史あるこの筑波大学蹴球部の部員ブログを書くことになり、大変恐縮しております。ただ、過去のブログのように素晴らしい文章を書けるわけではないので、ラストシーズンを迎えている今、考えていることを率直に書きたいと思います。こんなことを考えている奴もいるんだなくらいに捉えていただければ幸いです。



『ラストシーズンを迎えるにあたって、自分はとてもワクワクしています。何故こんなにもワクワクしているかはわかりません。ですが、必ず自分たちの代であれば、まだ見たこともない景色を見ることができると思っています。


ここ数年、筑波大学蹴球部は思うような結果を残すことができていません。自分は2017年の天皇杯のときのような、あの感動を、魂の震えるような試合を見たいです。そして、自分たちならそれができると信じています。』



実は部員ブログを依頼されたのは今回が初めてではありません。3月の下旬に一度執筆の依頼を受けました。しかし、前回は執筆の依頼を受けたあと、何を書こうか熟慮して、このように書き出してから、執筆を中断させてもらいました。


理由は単純です。

新型コロナウイルスをめぐる状況が急速に悪化し、活動自粛をすることになり、自分自身の気持ちの整理がつかなかったからです。


活動自粛が決定したあと、自分は引退を覚悟しました。もうサッカーを本気でプレーすることはないなと思いました。


それでも蹴球部に所属する意義は何か。自分の中で考え続けました。


そんな状況でも、このチームで日本一になりたいという想いはずっと変わりませんでした。"強い筑波"を知っているのはもう自分たちの代だけです。もう一度"強い筑波"を取り戻すきっかけとして、自分たちの代で日本一を獲りたい。その想いだけが自分の中にありました。


幸いにも、部としての活動も再開し、さらにはインディペンデンスリーグの再開の見込みが立ち、例年と比べると少ないながらも、自分たちも公式戦を戦うことができます。今は来たる開幕に向けてチーム全員で取り組んでいます。


正直、自分の所属するB1チーム(4軍)はまだまだ甘い部分が多いです。自粛前はかなり手応えを感じていましたが、自粛期間を経てまた一から立て直しているという状況です。また、つい最近1年生が各チームに配属されたこともあり、Iリーグ開幕へ向けてチームとしてベクトルをそろえられるように全員で取り組んでいます。


それでも、"コロナがあったから"という言い訳はしたくありません。"コロナがあったからこそ"最後まで納得した形でやり切れたと胸を張って引退したいと思っています。



大学生になってから、自分を最も多く試合に使ってくれた方が"下から熱を"という言葉をよく使っていました。また、最後に日本一を獲った2016年の雰囲気はまさにそうだったという話を聞きました。自分は今、下のカテゴリーにいるからこそ、"下から熱を"与えられる存在でありたいと考えています。


入部当初はピッチ上でこの蹴球部の勝利に貢献している姿を思い描いていました。また、下級生の頃から下のカテゴリーではあるものの多くの出場機会を得ていて、上へのチャンスは多くありました。しかし、自分は自分自身を信じ抜くことができず、そのチャンスをモノにすることができなかった。そんな自分が蹴球部に返せる唯一の恩返しが誰よりも熱くプレーし、自分なりの形で、ほんの少しかもしれないけれど、このチームの日本一に貢献することだと考えています。


昨年のシーズン報告会で太田先生がおっしゃっていたことが今でも頭に強く残っています。それは”今の蹴球部はMissionやVisionはしっかりとしてきたがPassionの部分が足りないのではと感じている。3つ揃ってMVPだ”というお話でした。


筑波に集う者たちはサッカーに対して熱いものを持っているはずです。自分はそれをもっとピッチ上で表現してもいいのではないかと感じています。アドレナリン全開で闘志をむき出しにしてプレーすること、それはサッカーを心の底から楽しむことにつながると思います。一見矛盾しているように思えるけれども、サッカーを始めたころに感じた目の前の相手に負けたくないという純粋な気持ちは、間違いなくサッカーの楽しさにつながっているはずです。


自分は一人一人がピッチ上でもっと感情を爆発させてもいいのではないかと思います。それが太田先生のおっしゃる蹴球部に足りていないPassionであると思います。そして、自分は蹴球部に足りていないそのPassionの部分で、部に対してピッチ上で熱を与えられるような存在でありたい。それがたとえ下のカテゴリーであっても、自分たちが熱源となることで、TOPチームの勝利につながることを信じてやっていきたい。


先日、TOPチームが天皇杯の茨城県予選で優勝し、久しぶりに天皇杯本戦への出場を決めました。しかし、リーグ戦では思うように結果が残せず、また一足先に始まったTSCチームの社会人リーグでも黒星スタートとなりました。現状では、自分の知っている"強い筑波"からはまだまだ程遠いです。


しかし、先日TSCチームと行った青白戦(※蹴球部では紅白戦のことをユニフォームの色にかけて青白戦と呼びます)では、結果として上のカテゴリーであるTSCチームに惜敗したものの、お互いが全力を出し尽くした熱いゲームができたと思います。


お互いの意地と意地がぶつかり合い、お互いに熱を与え合うような熱い試合をすることができました。もちろん、負けた悔しさはありますが、とても充実した試合でした。そして、次の練習からまたがんばろうというモチベーションにつながりました。


こうして各カテゴリー同士でピッチ上ではバチバチに戦い、ときには熱くなりすぎることもあるけれど、試合が終われば、笑って水に流す。そして、また次の練習からお互いにもっとやらなければいけないと意識を高め、さらに質の高い練習を追求していく。そうしていくことで、たとえ下のカテゴリーであっても、蹴球部の熱源となることはできると思います。


繰り返しますが、蹴球部の熱源となるためには、自分自身もB1チームとしてもまだまだ足りないことだらけです。それでも、残り少ないサッカー選手としての時間で誰よりも多くの熱量を持って取り組んでいきます。下のチームでもそれができるということは昨年のチームで実感したので、少しでもそこに近づけるように、そして、昨年以上の熱を生み出せるように精進していきます。



泥臭くてもいい、格好悪くてもいい。とにかく、"強い筑波"を取り戻すために、4年生として、桐の葉を背負う誇りを受け継ぐ者として、できることを自分なりの形でやっていきます。



拙い文章に最後までお付き合いいただきありがとうございました。今後とも筑波大学蹴球部へのご支援ご声援をよろしくお願いいたします。


また、今年は新型コロナウイルスの影響で難しいかもしれませんが、TOPチームだけではなく、Bチーム以下も一人一人が熱いプレーをお見せするので、ぜひ筑波大学第1サッカー場までお越しいただき、自分たちの熱量を肌で感じとっていただければと思います。



最後になりますが、自分は高校の同期が先輩たちの最後の試合を応援する際に、"ピッチ内が互角なら勝負を決めるのはピッチ外の俺たちだ"と言っていたことが強く記憶に残っています。異例づくしの今シーズンはまさにピッチ内外でどれだけ"一心"となれるかが強く求められているシーズンであると思います。


まだまだ胸を張って"強い筑波"と言えるわけではありません。しかし、部員全員で"一心"となって必ずもう一度"強い筑波"を取り戻します。


ここから始まる筑波大学蹴球部の逆襲にご期待ください。




筑波大学蹴球部

体育専門学群4年

荒井啓汰





→昨年の所属チーム(4軍)の最終節で決勝点が決まった後のグラウンドの様子。下のカテゴリーでも選手が熱くプレーすることでこの一体感を生み出せるということを強く実感しました。


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